芦別は昔から芸術や文化に関心の高いまちでした。それを物語る施設の一つが、新城町にある「芸術の郷しんじょう」。廃校を活用した懐かしい建物と、絵画、書、木工品などバラエティ豊かな展示作品は、市外から訪れる人にも人気です。
「芸術の郷しんじょう」は、平成16(2004)年に閉校した新城小学校の校舎を再利用して生まれた美術館です。展示物は芦別出身者や在住者など芦別にゆかりのあるアーティストの作品が中心で、気軽に芸術鑑賞ができる施設となっています。
また、施設はアトリエも兼ねています。芦別在住の画家・石岡剛さん、河瀬陽子さん、永田守男さんや書家の須藤栄松さんらが、ここにアトリエを構えています。アトリエは元の教室や職員室が利用され、運がよければ制作中のアーティストに会えることも。教室の趣を残す部屋でお話を聞いたりなど、芸術を身近に感じられるのもここの魅力です。
メインの展示室は、旧体育館。広々とした明るい空間で鑑賞する絵画や書は、一般の美術館とはまた違う雰囲気があり、とても開放的な美術館です。
芦別を舞台にした映画「野のなななのか」(大林宣彦監督)劇中で強い印象を残した、洋画家・石岡剛さん(芦別市在住)の作品
取材時、幸運なことに新作を制作中の河瀬陽子さんにお会いすることができました。芦別市出身で、教員を経て40歳から画家に転身した河瀬さん。しかも新城町生まれでこの旧新城小学校が母校であり、教員として初めて勤務したのもこの小学校という、まさに「芸術の郷しんじょう」の顔とも言うべき画家なのです。
「私は生まれ育ったこの新城の自然が好きです。その地元で今、こうして絵を描かせていただけることはとても幸せなことですし、まして母校にアトリエを持てるんですから、本当に恵まれていますよね」。
壁に飾ってある生徒の集合写真は、河瀬さんご自身の思い出の写真。河瀬さんの豊かな人生と、自然に囲まれたアトリエから生まれる作品たちをぜひご覧ください。「芸術の郷しんじょう」には、芦別の奥深い魅力が詰まっています。
河瀬陽子さんの「マリオネット」シリーズ
芦別市新城町185番地
開館期間/5月1日~10月31日
開館時間/10:00~16:00
休/月曜
料金/無料
問合せ/0124-28-2021
(生涯学習課青少年係 0124-22-3110)