多彩な花を咲かせるクリスマスローズ。原種はクリスマスの時期に咲くのでこの名があり、冬場に多く出荷されることから「冬の貴婦人」とも呼ばれます。芦別の石黒花園は、北海道でのクリスマスローズ栽培や改良を行っております。
クリスマスローズは不思議な植物。原種に近い種類は、緑色の地味な花を咲かせます。それを交配、改良して多彩な色や形を作り出すのですが、品種の固定が難しく、同じ花は2つと咲きません。石黒花園の石黒里美さんは、そんなクリスマスローズに長く取り組んでいるおります。
この興味深い花について聞きました。
「うちでクリスマスローズをやるようになって、もう15年くらい経ちますね。その間、本州ではブームになったんですが、北海道ではまだまだです」。
冬が出荷のピークなので、冬場は花の売り上げが下がる北海道では、まだ知名度が低いそうです。でも気候の関係上、北海道で花が咲くのは春(地植えの場合)。原種は高山植物なので、寒さに強く暑さに弱い特徴もあります。石黒さんも「北海道の環境には向いているんですけどね」と言います。
「花が下向きにつくことも含めてちょっと地味なんですが、でもハマると奥が深くて面白いんですよ。同じ花を作れないので、つぼみの段階ではどんな花が咲くかわからないという楽しみもあります。また、家庭で買った鉢植えでも簡単に交配ができるので、自分オリジナルの花を作ることもできるんです」。
楽しみ方いろいろのクリスマスローズ。石黒花園では主に電話かネットの通販で販売しているほか、ふるさと納税の返礼品でも人気があります。
同じ植物とは思えないほど多様な花を咲かせるクリスマスローズ。左上が原種に近い品種です。花びらに見えるのは「がく」なので、花持ちがいいのも特徴。ちなみに「冬の貴婦人」の別名の由来は冬に咲くという以外に、昔は非常に高価だったということもあるそうです。(右下)石黒花園・石黒里美さん。
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