「ガタタン以外では手作り餃子やチャーハン、天津飯、ザンギがよく出ますね。昔はこのへんはにぎわったんだよ、今はちょっと寂しいけどね」と笑う宝華飯店の店主・佐藤春一さん。宝華飯店では昭和48(1973)年の開店以来、ガタタンがメニューから消えたことはないといいます。ご自身がガタタンの元祖「中華料理店 幸楽」に出入りしていた佐藤さんは、当時の思い出を「昔、幸楽の親父さんはガタタンの作り方の講習会もしていたから、当時は家庭でガタタンを作ることも多かったようですよ。店では、お客さんが鍋を持参してガタタンを買いに来てましたね」。また駅前の歓楽街のお店だけに「景気のいい頃は、夜遅くまでたいそうにぎわったもんですよ」と語ってくれました。では、変わることなく約半世紀を駆け抜けてきた宝華飯店の「ガタタン」の味は、どんなものでしょうか?
まず、手作りの小麦だんご「ガーダ」(写真ではワンタンにも見えますが)が入っているのが、さすがに幸楽のガタタンを知るお店という印象。そのガーダはつるんとしたのど越しの食感です。ガーダやナルト、山菜などガタタンの基本の具材を受け止めるのは、あっさりしながらも旨味たっぷりの中華のダシが効いたスープで、「奥深い味」の一言です。
他のお店同様、こちらでも人気はやはり「ガタタンラーメン」。ガタタンをラーメンにアレンジする際は、味やとろみを変えるお店が多い中、「うちはそのまま麺を入れるんだよね」と、実にシンプルな作り方になっていました。
宝華飯店のガタタンラーメンはガタタンに麺が入るだけ、でもこれ以上何もいらない!と思えるおいしさ。ふくよかな旨味が、麺と絡むことでより口の中に広がります。さあ、ガタタンとガタタンラーメン、どっちにしようか…?昭和の空気感がそのまま残るレトロで落ち着く店内で、楽しく迷ってみてください。
(左)宝華飯店店主・佐藤春一さんご夫妻。
芦別市北1条西1丁目14番地6
営業時間/17:00~翌1:00 (ラストオーダー 1:00)
休/不定休(月1、2回)
問合せ/0124-22-2231