市内から旭川に向かう道道4号、新城郵便局の信号を左折した先の丘、通称「新城仙台山」にある、三本並んだミズナラの巨木。これが芦別の三本ナラです。この一帯は元々ミズナラの原生林でしたが、明治35(1902)年、仙台市からの入植者によって多くの木が伐採され、用水路の掘削が始まりました。その際この三本だけは残され、昭和2(1927)年には用水路が完成し、それを記念した水神碑を建立。現在まで開拓者の子孫が管理しています。推定樹齢はいずれも440年以上、高さ約14m、幹周は最大で約4m以上の、迫力ある枝ぶりを持つ巨木。平成12(2000)年、芦別市指定文化財(天然記念物)に指定されました。
残念ながら3本のうち1本が2021年8月の暴風で力尽き果ててしまいました。
木の周囲には畑や水田が広がります。かつてこの標高230mの丘に水田を作るため、開拓者たちが尾根沿いに用水路を掘削してできた、丘の上の田園地帯です。だからこそここから眺める風景は、丘の自然と人の力が融合して作られた、悠久の時間の流れを感じさせてくれます。開拓者が心のよりどころとした三本の巨木、そこに息づく歴史と人々の想いが、この木々に不思議な力強さを宿らせているのかもしれません。
街灯のない静かな環境は、星空を観るのにも最適。スケールの大きな樹形を生かした、星空写真の撮影スポットとしても人気です。
芦別市豊岡町251番地
冬季閉鎖
問合せ/0124-24-2121(星の降る里百年記念館)