芦別温泉スターライトホテルの向かいにある「芦別市陶芸センター」。ここでは陶芸家兼センター指導員の伊達由之さんが、この地区の名前をとった「油谷窯」(ゆやがま)という窯元を開いています。作品は展示販売もしており、手に取りながらお気に入りの器を探すことができます。また気軽に陶芸体験ができる、注目のスポットでもあります。
建物内には陶芸作品を鑑賞できるギャラリー(トップ写真)があり、ゆったりと器を眺めて過ごせるほか、気に入ったものは購入できます。
ここのもう一つの魅力が「陶芸体験」。伊達さんのユーモアを交えた丁寧な指導のもと、ロクロを使って自分の手で作る感覚を存分に味わうことが可能です。作品は窯で焼成後、ご自宅や職場などの指定した場所に届くシステムになっています。
陶芸センターは芦別温泉スターライトホテルから徒歩1分なので、宿泊時に陶芸を体験してみてはいかがですか?
油谷窯の器を焼く窯は2種類あります。ポピュラーな電気窯に加え、陶芸窯としては最古の形式とされる「穴窯」。この穴窯で焼く器が、油谷窯の大きな特徴になっています。
穴窯とは、5世紀の古墳時代から使われた窯の形。その名のとおり斜面に掘った穴を窯として利用します。ここの穴窯は斜面を掘らずにレンガで作ったものとはいえ、やはりかなり大きなものです。なぜ伊達さんはこの窯を使うのでしょうか?
その理由を、陶芸家でありセンター指導員の伊達由之さんに聞きました。「穴窯で焼くと、出来上がりにムラが出るんです」。ムラが出るのは器として良くないのでは?と聞いてみると…
「ほら、(器を手に取り)ここにガラス質の青や黒の部分があるでしょう。窯の中で灰が回って『自然釉(ゆう)』となったものですが、この色や形がまったく計算できないんです。つまり同じ器は一つとしてない。電気窯にも多少のムラはありますが、穴窯の場合は本当に出来上がりの予測がつかないです。天まかせなのが面白いんですよね」。
穴窯の醍醐味は、火と灰が生み出す美しい偶然性にありました。
穴窯は、焼き上がりまでになんと5日(電気窯なら数時間~1日程度)かかります。しかも燃料は薪。焼いている間は5日間ずっと目を離さず、窯につきっきりで薪をくべなくてはなりません。
陶芸センターの裏手にあるのが、穴窯の小屋。窯の中は約1,200度の高温をキープする必要があり、薪をくべるタイミングは職人芸。しかも薪をくべるために窯の口を開くと温度が下がるので、開けたら一瞬で薪を入れなくてはなりません。窯から吹き出す熱風は強烈で、緊張感あふれる現場なのかと思いきや、みなさんのんびり楽しみながら窯の番をしていました。
人の手がかかる古い形の穴窯を使うことが、芦別の油谷窯の特色であり魅力です。
芦別市旭町油谷2番地
開館時間/9:00~17:00(陶芸教室は日曜、水曜10:00~15:00。随時受付、要問合せ)
休/火曜、12月29日~1月3日
料金/入館無料
陶芸体験/体験料1,700円~(要予約) ※作品の送料が別途かかります
問合せ/0124-22-0633