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吉岡滋人さんの木工クラフト

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木の肌触りを生かしたおもちゃや日用品を、芦別から発信

吉岡滋人さんの木工クラフト

芦別市は林業のまちでもあり、国内の林業が昔ほど盛んではなくなった今も、市内には木材工場がいくつかあります。道の駅で人気の木工クラフトを作っているのが、芦別生まれの造形作家・吉岡滋人(しげと)さん。「芦別では常に木のある環境に育ち、素材に木を使うのは自然なことだった」と語ります。温かみのある作品と、吉岡さんのモノ作りに対する取り組み方などを紹介します。



木は、自分の年齢よりもずっと時間を積み重ねている素材

造形作家 吉岡滋人さん

造形作家 吉岡滋人さん。

吉岡さんのお父様は、芦別で木工作家をされていました。そのため吉岡さんの生活環境には当然のようにたくさんの木があり、子どもの頃から木に親しんで育ちました。ちなみに同じ芦別の木工作家である吉岡俊哉さんは、いとこにあたります。

東京の大学で美術やデザインを学び、作品作りを始めますが、そのときはあまり木を素材にはしていなかったそう。木をよく使うようになったのは芦別に戻り、教員から造形作家に転身して以降ということで、そのきっかけを聞きました。

「自分の子どもにおもちゃを与えようと思ったとき、木が素材で安全なものがいいと思ったんです。買うより先に作ってしまったのが、この『milcar』ですね」。

「milcar」は「milk」と「minicar」をミックスした造語で、ミルクのように子どものすぐ近くにあるおもちゃというコンセプトで作られた、自動車のおもちゃシリーズです。角が丸くて持ちやすく、木肌の美しさや温かみが感じられ、インテリアとしても人気の一品です。


木を素材にすることについては「木の年輪を見ていると、いろいろ思うところがあるんですよね。自分の年齢なんかよりずっと長い時間を積み重ねているんだなあ、とか。自分が昔から慣れ親しんでいたこともあるし、立体作品を作るときは自然に木が素材になることが多いです」。



ないものを求めている人に、提案をすることが好きですね


ゴールドシップがG1を勝ったときの記念品。木製の楯と「二升五合」枡

現在の吉岡さんの制作活動は、milcarなどご自身が生み出す作品と、オーダーメイドによる作品があります。オーダーメイドを本格的に始めたきっかけは、写真の作品でした。

「芦別にゆかりのあるゴールドシップという競争馬がG1を勝ったとき、記念品がほしいという注文がありました。そのときに木製の楯と「二升五合」(商売ますます繁盛の意味)と書いた枡を提案したら好評でした。自分は、世にないものを探している方に提案し、新しいものを作ることが好きなんだと思えたんです。自分の基本は彫刻なんですが、例えば机がほしいとか、小物がほしいという注文は、彫刻とは関係ないですよね。でもそれは、俳優さんがいろいろな役を演じるのに似ているのかなと感じます。自分だけの発想ではまず作らないものが、お客様の注文ならできるかもしれない。それが楽しいんですよね」。


(左上)名刺ケース(右上)「milcar」シリーズのグリップカー(下)ブルドーザーなど3台の重機

左上はイチイ製の名刺ケース。ほかにもスマホケースなど、実用的な小物は多数揃っています。右上は「milcar」シリーズのグリップカー。下はブルドーザーなど3台の重機。迫力ある大きさと精巧な作りには、誰もが驚くでしょう。作品の素材には滝澤ベニヤの「ペーパーウッド」(木材とカラフルな再生紙を重ねた合板)を使うことも。素材の樹種に関しては特にこだわりがないそうですが、milcarなどのおもちゃには柔らかい道産のハンノキがいいとのこと。それはもちろん子どもが手にすることへの心配りです。そんな優しい視点から生まれる吉岡さんの作品は、ぜひ手にとって、温かみのある感触を確かめてみてください。作品は道の駅スタープラザ芦別で購入できます。





データ

造形作家 吉岡滋人

問合せ/090-9688-3973またはメール shigeto1971@gmail.com

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