「中西サクランボ園」は、アットホームな温かみのあるサクランボ園です。そういえば子どもの頃に行った果樹園ってこうだったなあ…と思い出されるような、素朴な雰囲気が魅力。芦別特産のおいしいサクランボを食べながら、のんびりと過ごすにはもってこいの場所です。
ここの畑は、昭和21年(1946)年ごろに入植した初代が拓きました。それをサクランボ園にしたのは昭和50年代のこと。以来約40年、市民や観光客に親しまれる営業を続けているのが中西サクランボ園です。
山の斜面に作られた畑は、広いながらも勾配はそれほどきつくありません。移動が楽なうえ木がとても低く剪定されており、子どもや年配の方でも安心して楽しめるのが魅力。入園料金は大人1,000円とリーズナブルで、芦別観光のついでにちょっと立ち寄りたい、というときに最適です。露地栽培とビニールハウスがかかる区画の両方があるので、晴天の下でも、雨の日でもサクランボ狩りを楽しむことが可能。もちろん木なりで完熟したおいしい実が食べ放題です。
サクランボは佐藤錦やナポレオン、南陽などに加え、芦別固有品種の「平和錦」といった珍しいものも。しかしなんといっても中西サクランボ園といえば、黒いサクランボ「パープル」(上写真)でしょう。中西サクランボ園でしか栽培されていない品種として知られ、おいしいうえに鉄分やβ-カロテンなどの栄養が豊富。これを目当てに毎年多くのお客様が訪れています。
ツヤツヤとした果皮が美しい「パープル」。園内の直売所や、道の駅スタープラザ芦別の直売店「つばさ農園」でも販売しているので、サクランボ狩りをする時間がないときでも味わうことができます。
中西サクランボ園社長・中西三郎さん
中西サクランボ園を見渡してまず感じるのは、木の低さ。サクランボの木は、場所によってはかがまなければ通れないほどの低さに揃えられています。これには理由があるのではと、畑を歩きながら中西社長にお話をうかがいました。
「うちでは木はできるだけ低く剪定し、ビールケースくらいの踏み台で十分な高さを心がけています。お年寄りや子どもさんにも安心して楽しんでもらいたいですからね。それに収穫する私もこのほうがラクなんですよ。年をとって、脚立は危ないので」。
とはいえ、剪定は冬に行うたいへんな作業。こうしたお客様のための優しい配慮が、園全体に行き渡っています。珍しい「パープル」については?
「パープルは、だいぶ昔に父が木をもらってきたようで、私が畑を継いだ平成元(1989)年にはもうありました。でも当時は黒いサクランボは人気がなくて、市場から断られてね(笑)。でも「つばさ農園」さんが協力してくれて、続けることができました。今では作っているのは全国でうちだけのはずなので、もし他にあればぜひ見てみたいです」。
パープルはその黒い色から、最初は輸入物のアメリカンチェリーを連想してしまいます。しかし食べると日本人好みの繊細な味わいがあり、まったくの別物です。
「(木になっている実を指して)この紫の実でも糖度25度はあるので十分甘いけど、もっと真っ黒に完熟すれば30度まで上がりますよ。パープルがなっているか、確認してから来られるお客様も多いです」。
メロンやブドウの糖度が20度くらいなので、25度や30度はすごい数字。中西サクランボ園に来たら、まずは黒い実のパープルの木を探すのがおすすめです。
芦別市上芦別461番地6
開園期間/6月下旬~8月中旬(天候等により変わります)
開園時間/8:00~18:00
入園料/下記サイトからご確認ください
休/開園期間中無休
問合せ/0124-23-0658
ホームページ/中西サクランボ園