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滝澤ベニヤのペーパーウッド

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職人技が生み出す、芦別発の新素材

ペーパーウッド

滝澤ベニヤ株式会社は、創業昭和11(1936)年の木材工場。長い歴史を持つこの会社から生まれた新素材が「ペーパーウッド」です。

かつては営林署が2カ所、木材工場は60社を数えた林業のまち・芦別。滝澤ベニヤの主力製品は芦別産木材を使った単板(ベニヤ板)や合板です。時代に合わせて外国産木材を使うことも増えましたが、2代目の現社長・滝澤量久(かずひさ)さんは先代のお父様同様、芦別や国産の木材に思い入れが強く、間伐材を中心とした国産材にこだわっています。

 

ペーパーウッドは合板の間にカラフルな再生紙を挟み、それを重ねて断面にさまざまな色を出すことのできる素材。色の組合せで表情が変わり、小物から家具、建材まで幅広く使えます。開発や販売に携わっているのが、量久さんの息子である滝澤貴弘さんです。

「新素材を探していたとき、東京でインテリアデザインの展示会を見ました。そこで、あるデザイナーさんが板に紙をはさんだ素材で作った作品を出品していたんです。合板は木でなくてはならないと思っていた私には衝撃的でした。さっそく製品化をもちかけると、あちらも作れる工場を探していたとのことで意気投合し、次の週には試作が始まりました」。

しかし、収縮率の違う紙と木を合板にするのは非常に困難な作業でした。それを技術力でカバーし、最終的には滝澤ベニヤがこだわる、ホルムアルデヒドを含まない接着剤(人体への安全性と引き換えに粘着力は下がります)の使用にも成功。平成22(2010)年、製品化にこぎつけます。ペーパーウッドは新たな発想の素材として、業界で一躍脚光を浴びました。高い技術が必要なため現在も作っているのは滝澤ベニヤだけ。まさに芦別発の新素材です。

ペーパーウッドは、平成22(2010)年に「GOOD DESIGN AWARD 2010(グッドデザイン賞)」を、平成24年(2012)年には40カ国以上が参加する世界最大のデザイン・コンテスト「red dot design award 2012(レッドドットデザイン賞」を受賞。平成27(2015)年にも「wood design award 2015(ウッドデザイン賞)」を受賞し、その独創性や美しさが世界で認められています。

 


左上)スツール 右上)時計 下)東京のイタリアンレストランの様子

無塗装の板に色紙をはさむことで、木肌をそのまま生かしつつ、色味も楽しめるのがペーパーウッドの魅力です。合板なので加工しやすく、スツール(背もたれのないイス・左上写真)や時計(右上写真)など応用範囲は無限大。建材としては、内装のアクセントには十分な強度があり、全国のオフィスビルや店舗で使われるケースが増えてきました。店内の写真(下写真)は東京のイタリアンレストランの様子。ペーパーウッド製テーブルを使用しています。

 

今後の展望については「海外でも注目され始めていますが、合板のままだと湿度の関係で船での大量輸送が難しいので、まずは製品を輸出するのが目標です」。国際展示会への出展を行い、イギリス国立ビクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)やニューヨーク近代美術館で販売されるようになるなど、芦別生まれの新素材が、世界のいろんな場所でポップな空間を作り出し始めています。

各種製品の購入は滝澤ベニヤでの販売や公式サイトで販売しているほか、芦別市のふるさと納税の返礼品としてもラインアップされています。また、道の駅には造形作家の吉岡滋人さんによる名刺入れ、車のおもちゃ、箸置き、マグネットなどのペーパーウッド商品が置かれています。一度手にしたら手離せなくなる優しい手触りと美しい色彩を、ぜひご自身の目で確かめてください。


(左)滝澤ベニヤ専務取締役・滝澤貴弘さん。(右)滝澤ベニヤ代表取締役・滝澤量久さん。

(左)滝澤ベニヤ代表取締役・滝澤貴弘さん。(右)滝澤ベニヤ取締役会長・滝澤量久さん。

 

データ

滝澤ベニヤ株式会社

芦別市野花南町1000番地
問合せ/0124-27-3111
ホームページ/
滝澤ベニヤ株式会社
PLYWOOD laboratory

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